幸福の構造 捉えどころのない幸せを理解するために

幸福論

今日は、「幸福」という多面的で複雑で、捉えどころのないものをどういうふうに理解するか、ということについて書きます。

ツッコミ少年
ツッコミ少年

おお!初めてFIRE以外のテーマだね!

前回の記事で「より良く生きるのが大事」と言ったけど、ぼくが言いたかったのは、外面的な成功を掴むということではなく、どちらかといえば内面的な成功、つまり幸福感を感じながら生きることが大事、ということです。

幸福の主観性と定義の難しさ

「幸福」について話すっていうと、宗教ちっくで、日常でもなかなか話題にするのに困るテーマですよね。

そもそも幸福の定義なんて、人それぞれでまちまちだし、何が幸せかなんてみんなわかってない。

あるヤツは「お金さえあれば幸せ」と言い、別のヤツは「愛さえあれば」なんて言っちゃう。

お金持ちが皆幸せかって言ったらそんなことないし、むしろお金に縛られて不幸だと感じている金持ちだっている。

いじわるな少年
いじわるな少年

お金持ちの悩みなんて、どれも贅沢な悩みだよな

幸福を構造的に捉える利点

こういう主観的でとらえどころのない幸福をどうやって構造的にとらえるか。どうやって幸福を要素に分解して、その中身を細かく見ていくか。

その捉え方はいろいろありますが、ぼくがなるほどと思ったのは次の2つ。

  1. ギャラップ社が調査に使った5つの要素
  2. 橘玲の「幸福の資本論」で語った3つの資本

2つのフレームワーク

ギャラップ社の調査:5つの幸福要素

ギャラップ社は、アメリカの世論調査およびコンサルティング会社。ギャラップ社は、世界中で世論調査を行い、特に「ギャラップ調査」として知られる調査手法で信頼を得ています。

ギャラップ社が世界中で幸福度についての調査をした際に用いたのが次の5つの要素でした。

  1. キャリアウェルビーイング(仕事の幸福): 仕事や日々の活動に情熱を持ち、充実感を感じれているか。職業だけでなく、ボランティアや勉強、子育てなども含む。
  2. ソーシャルウェルビーイング(人間関係の幸福): 強い信頼と愛情で結ばれた人間関係を築けているか。恋人だけではなく親しい友人や家族との関係も含む。
  3. フィナンシャルウェルビーイング(経済的な幸福): 生活に必要な十分なお金があり、将来に向けた資産を管理できているか。大金持ちである必要はない。
  4. フィジカルウェルビーイング(身体的な幸福): 健康で活力があり、日々の生活を楽しむための体力があるか。運動や睡眠もこれに含む。
  5. コミュニティウェルビーイング(地域社会の幸福): 住んでいる地域や社会に根を下ろし、つながりを感じれているか。
ツッコミ少年
ツッコミ少年

これ全部揃ってないとダメってこと?

これらの要素がバランスよく満たされているほど幸福度が高くなる傾向があるってことであって、良いとかダメとかいうことではないようです。

でも、幸せになりたいと願いながらそもそも何をすれば幸せになるのかわからない、とか、今の状態がどれくらい相対的に幸せな状態かわからない、という悩みに対しては、ある程度のヒントになりそうです。この5つを満足すると真の幸福に近づくと言われています。

優しい少年
優しい少年

地域社会の幸福っていうのがピンと来ないんだけど?

都会的な生活をしていると地域やご近所さんとの付き合いが希薄だしピンとこないと思うんですけど、ぼくの理解では、孤独とか一体感というのと関連してる項目だと思います。

親友や恋人ほど近い関係ではないけど、年に一回はBBQしたり飲みにいったりする仲間関係があるかどうか。自分が何かの一部であるという感覚や一体感を感じられるような環境があるかどうか。

そういう意味では、行きつけのゲイバーがあるか、とか、スポーツクラブであいさつする人がいるか、とか、Feel Cycleのようなスタジオプログラムでの体験があるか、といった感じで良いと考えています。

橘玲の「幸福の資本論」:3つの資本

もうひとつは橘玲の「幸福の資本論」に出てくる3つの資本で、その3つの組み合わせによって幸福状態をパターン化できるとしています。

  1. 金融資本:お金や資産のこと
  2. 社会資本:人間関係や社会的つながりのこと
  3. 人的資本:知識、技能、健康などの個人が持つ能力のこと

そしてこの3つの資本の有無によって8個のパターンに分けられるとしています。

資本が1つもない
  • 貧困 : 金融資本、人的資本、社会資本がなにひとつない状態。「不幸=貧困」とは、幸福の土台がどこにもないこと。
資本が1つある
  • プア充:貯蓄も収入もほとんどないが、恋人・家族・友だち関係は充実している。地方都市で中学・高校時代の“イツメン(いつものメンバー)”とつるみながらバイトや非正規の仕事をしているヤンキーやジモティーが典型。生活は貧しくても「貧困」ではない(社会資本)。
  • ソロ充:専門職などでそれなりの収入はあるものの貯蓄はなく、友だちもあまりいない。地方から都会に出てきた大卒エリートの若者が典型。一人暮らしでも、仕事や趣味で充実した生活を送っている。「仕事はできるけど異性との交際にはあまり興味がなく、友だちづき合いが苦手」というのもこのタイプ(人的資本)。
  • 孤独なお金持ち:仕事はしておらず、家族や友人もいないが、経済的な不安はないというタイプ。独身の退職者のほか、親と同居し、アルバイト程度の仕事しかしていない裕福な引きこもりもこれに当てはまるだろう。こうした人生を不幸(負け組)と決めつけることはできず、好きなことに打ち込める生活はけっこう充実しているかもしれない(金融資本)。
資本が2つある
  • リア充:バリバリ仕事をして、なおかつ恋人や友だちに囲まれているタイプ。東京生まれで私立の中高一貫校から有名大学に入り、一流企業に勤めている若いビジネスパーソンが典型で、SNSで“リア充アピール”に余念がない。インスタ映えする生活を維持するのにコストがかかるので、資産はあまりないだろう(人的資本+社会資本)。
  • ソロリッチ:高い収入によって資産形成に成功したものの、独身のまま友人もあまりいないタイプ。医師・弁護士などの専門職によく見られる。一見、孤独に見えるが、生活になんの不安もないため幸福度は高い(金融資本+人的資本)。
  • マダム:「働いていないけれど、お金はあるし友だちもたくさんいる」というタイプ。夫の稼ぎを金融資本に、ママ友を社会資本にするマダムが典型。裕福な退職者(旦那)のほかに、親のお金で好き勝手に暮らしているドラ息子/娘(ただし友だちには人気がある)もこのタイプに含まれるだろう(金融資本+社会資本)。
資本が3つぜんぶある
  • 超充:幸福の「資本」をすべてもっている状態。理論上はその生活は超充実しているはずだが、現実にはさまざまな制約があり、このレベルに至るのは難しい(金融資本+人的資本+社会資本)。

まとめ

両者の比較と共通点

この2つは、複雑な構造をしている「幸福」という同じものへの見方を提示しているので、共通点があります。

例えば、ギャラップ社の「経済的安定」は橘玲の「金融資本」に、「社会的つながり」は「社会資本」に対応しています。また、「仕事」や「身体的健康」は橘玲さんの「人的資本」に含まれると考えられます。

賢い少年
賢い少年

つまり、どちらの理論も似たような要素を重視しているってことだね

FIREを達成したら幸せか?論

幸福の構造のとらえ方がわかったところで、FIREした人は本当に幸せなのか?ということを考えてみたいと思います。

例えば、橘玲さんの3つの資本で考えると、FIREを達成した人は次の状態にあると思います。

  1. 金融資本:十分にある
  2. 社会資本:時間ができたので投資することで充実させやすい
  3. 人的資本:自己啓発の時間が取れるので伸ばしやすい

少なくとも金融資本があるので、「孤独なお金持ち」(金融資本だけ)か「ソロリッチ」(金融資本+人的資本)か「マダム」(金融資本+社会資本)のパターンのどれかにはあてはまりそうです。すくなくとも「貧困=不幸」の状態では無いのは確実です。

FIREして余った「時間」(有限のリソース)をうまく使って、社会資本と人的資本に投資できれば、真の幸福(超充)を手にできる可能性がある、といえると思います。

ツッコミ少年
ツッコミ少年

幸せになりたーい!

コメント

タイトルとURLをコピーしました