ほとんどの投資家にとって、低コストのインデックスファンドを定期的に購入することが最良の選択肢だ
ウォーレン・バフェット(アメリカの投資家)
FIRE(Financial Independence, Retire Early)を達成するための資産形成には、様々な方法があります。
仮想通貨で一攫千金を狙ったり、テンバガー株(価格が10倍以上に成長する株)に投資したり、遺産相続で大金を手に入れたりする人もいます。
でも、これらの方法はハイリスクだったり、運に左右されることが多いです。
ぼくは、そういったハイリスクな投資をせず、遺産相続や宝くじの当選などのラッキーにも頼らずに、FIREを達成できました。その方法は、シンプルで低リスクなインデックス投資です。
今日は、実体験に基づいて、「インデックス投資で十分FIREできる」というテーマについてお話しします。
インデックス投資の基本概念
インデックス投資とは
インデックス投資は、市場全体の動きに連動する投資方法です。個別の銘柄を選ぶのではなく、市場全体に投資するものです。
株式市場全体の成績表みたいなものだね
以下が代表的なインデックスです。
インデックス | 説明 |
---|---|
日経平均株価 | 日本の株式市場を代表する指標で、東京証券取引所の主要225銘柄の平均株価を表します。 |
TOPIX(東証株価指数) | 東京証券取引所の全上場銘柄(一部除く)の時価総額加重平均を表す指数です。 |
S&P 500 | アメリカの大手500社の株価を反映する指数で、世界中で最も有名な株価指数の一つです。 |
NASDAQ総合指数 | アメリカのナスダック市場に上場している全銘柄を対象とした指数で、特にハイテク企業が多く含まれています。 |
MSCI ACWI | 米MSCI社が開発した時価総額加重型の株価指数。先進国および新興国に上場する2900超の銘柄によって構成されており世界の株式時価総額の約85%をカバー。 |
これらのインデックスは、それぞれの市場の動きを表現しています。例えば、日経平均株価が上がれば、日本の株式市場全体が好調だということになります。
インデックス投資は、これらのインデックスに連動するように作られた金融商品に投資することです。例えば、TOPIXに連動する投資信託やETF(上場投資信託)を買えば、日本の株式市場全体に投資している、ということになります。
なぜインデックス投資がFIREに最適なのか
インデックス投資には次のような特長があります:
このブログを読む多くの人は、会社員や個人事業主として忙しい日々を送っているでしょうし、投資に時間や手間をかけることが難しいでしょう。そういう方々に向けては、インデックス投資は非常に効果的です。
投資のプロでも未来を予測することは難しく、長期的に見れば株式市場は上昇傾向にあるため、インデックス投資でも着実に資産を増やせます。
「ウォール街のランダムウォーカー」と「敗者のゲーム」の教え
インデックス投資のバイブルと言われている有名な本に「ウォール街のランダムウォーカー」と「敗者のゲーム」があります。
ウォール街のランダムウォーカー
株価の動きは酔っ払いの千鳥足みたいなもので、次にどっちに向くかわからない。プロの投資家というのは、その酔っ払いが右を向くか左を向くかを予測するようなもので、そんなの絶対に予測できない、と言っています。
えー?じゃあ投資のプロとか居る意味なくない?
この著書では、プロの投資家たちの虚しさをバッサリ切り捨てていて、「投資のプロなんていないんだからいろいろ考えても無駄。素人の投資手法であるインデックス投資のほうが、手数料が安い分アクティブ投資よりも儲かる」と言っています。
敗者のゲーム
同じように「敗者のゲーム」では、「投資を『勝者のゲーム』から『敗者のゲーム』に変えろ」って言っています。
プロのテニスプレーヤーは狙って得点を取ることで勝つけど、素人のテニスプレーヤーはミスをしないことで相手に勝つ。株式投資も似たようなものだって言っています。
つまり、大きく儲けようとハイリスクなものに賭けたり感情的になって無謀なことをするのではなく、感情を抑えて小さな儲けをコツコツ積み重ねるのが勝利への道だ、と。
そして「市場と戦うな。市場全体の成長に乗っかれ」って言ってる。それができるもっとも効率的・効果的な方法がインデックス投資だ、と言っています。
2つの本の教え
この二冊は、最初の切り口は異なっていても同じ結論に達しています。つまり、インデックス投資が最強だ、ということです。
ぼくのFIRE達成経験
ぼくも株式投資を始めたときは、スケベ心から、賢く投資をして賢く儲けてやろうと考えました。
アルビン・トフラーやローレンス・トーブといった未来学者の書いた未来予測の本を読み、将来起きる変化に賭けようと考えたり、地政学者の書いた100年予測を読み、未来の覇権国や重要国に賭けようと考えたりしました。
じっさい、トルコ(トルコはアジアとヨーロッパの交易地で地政学的に非常に重要な場所にある)が未来の最重要国の一つになるという予測を信じて、トルコのETFを買ったし、いまも一千万円くらい持ってます。
まさかエルドアンみたいな変な奴が大統領の席に居座るとは思ってなかったなw
ジョージ・フリードマン(『100年予測』の著者)、許さない、絶対。
まぁ結局、いろいろ欲を出して何かの情報を重視したり、賢く振舞おうとして考えた風な行動をとったり、悪あがきを繰り返しましたが、馬鹿みたいに何も考えないでやったインデックス投資のほうが、大きく値を上げています。
馬鹿は何もするなし何も考えるな、というのはチャレンジ精神を損なう後ろ向きなアドバイスだと感じますし、「考えろ。相手の裏をかけ」というのが人生の勝者のセリフだったはず、少年ジャンプでおれはそう習った。でも、株式投資においては、他人任せでモブみたいに振る舞うのが一番得をする。
複雑なルールが多い株式市場では、相手が勝手に裏を読んだり裏の裏を読んだりした結果、ルールを知らない馬鹿がラッキー勝利できるしその勝率も馬鹿にならない、ということなのかもしれません。
まあ、そういうわけで、結局ぼくもインデックス投資に落ち着いたのです。
インデックス投資との出会い
今は多くの人が「インデックス投資をしとけ」って言ってます。
ウォーレン・バフェットはもちろん、竹中平蔵や山崎元も「長期的に見ればインデックス投資が最も効率的な投資方法だ」と言っています。
ぼくがインデックス投資に出会ったのは、橘玲の『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』という本だったと思います。まだ株式投資をやってる人は多くなかったし、NISAもなかった。インデックス投資という用語もいまほど一般的じゃありませんでした。
その本に触発されてインデックス投資を始めました。若かったので資産の90%を株式投資にまわしていいと考えていました。毎月決まった額を投資信託に積み立て、ボーナス時期などにはETFを買ったりするだけ。
でも、そういうシンプルな方法だけで、40歳時点で5000万円蓄財でき、FIREが視野に入ってきました。
どのインデックスを選ぶべきか。S&P500かオルカンか
未来は誰にもわからないと言っても、日本の未来が他の先進国よりも豊かになるということに賭けるのはよろしくないでしょう。バブルよ再びといった経済環境には二度となりません。
単純に考えれば、国の豊かさは労働人口と相関がありますし、人口動態的に日本は労働人口が減り続けるのはわかりきっているからです。
いっぽうでアメリカを見れば、移民の受け入れも多く今後も労働人口が増えますし、シリコンバレーには世界を代表するIT企業も多数あり、第四の波の起点になっています。
であれば、現在も未来も世界の覇権国であり続けるだろうアメリカに賭けるのが得策でしょう。
そうなると、日経平均ではなくS&P500のインデックスに乗る、ということになるけど、別にオルカンであってもそんなに変わらないと思います。
2024年現在のMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)の構成比を見ると、次のようになっています。
国・地域 | 構成比率 |
---|---|
アメリカ | 約64% |
日本 | 約5.6% |
イギリス | 約3.4% |
フランス | 約3% |
中国 | 約2.6% |
その他の先進国 | 約14.4% |
大半がアメリカです。他の国の経済も互いに関連しているので、アメリカが成長すればその他の国の経済も成長するいう関係性になっているので、S&P500を選ぶのとそんなに違いはない。
実際、ぼくもS&P500に連動する投信・ETFも持ってるし、オルカンの投信・ETFも両方持ってますけど、どちらも大きく変わりません。
まとめ
インデックス投資は、低コストで分散投資ができ、手間もかからないため、FIREを目指すための最適な方法です。ウォーレン・バフェットや著名な投資書が示すように、市場全体の成長に乗ることが、最も効率的で効果的な投資戦略となるでしょう。
インデックスにはいくつか種類がありますが、日経平均ではなく、S&P500やオルカンのインデックスに賭けるのが良さそうにぼくは思います。
ぼく自身の経験からも、インデックス投資を続けることでFIREできる資産を築くことができましたしね。
現場からは以上です。
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