FIRE達成のための引き出し率を考える
今日はFIRE(Financial Independence, Retire Early)の理論的根拠となっている4%ルールを考えるためのヒントについて、特にゲイ男性に向けて考えます。
一般的なFIREではなく、ゲイという特有の条件だとFIREはどうなるかを考える、というのがこのブログの趣旨だったよね
多くの人がFIREに踏み出せない理由は、楽観的な見通しよりも悲観的な要因が勝っているからです。つまり、FIREへの踏み出しに背中を押す力よりも、現状に引き留める力のほうが強いということです。
なので、ゲイ男性がそこまで悲観的になる必要がないことを説明し、自身のリスク許容度を見直してもらいたいと思います。
ゲイコミュニティに向けて積極的に情報を発信してFIRE実現に向けて勇気を与えよう!
このブログは、FIREの価値を伝え、自分の時間を自分が好きなことに自由に使う豊かさと素晴らしさを共有することを目的としています。同じ価値観を持つ方々の背中をそっと押せれば幸いです。
4%ルールは一律に適用できる唯一の基準ではない
前の記事(4%ルールに縛られるのは止めよう)でも書きましたが、4%ルールは絶対的なものではなく、個別最適化が求められる数値です。
個人のリスク許容度に応じて調整が必要です。5%でも7%でもかまいません。
自分が置かれている状況・環境に基づいてどの数字を採用するのか、今日はそれを考えるためのヒントを提供します。
自分だけのリスク許容度を考える
FIREへの踏み出しに向けて自分のリスク許容度を考えるには、次の2面からアプローチするのが良さそうです。
- FIREへの踏み出しを引き留める力(悲観的な見方)
- FIREへの踏み出しに向けて背中を押す力(楽観的な見通し)
何か新しいことに挑戦しようとするときは誰でも「これをやったら何が起きるだろう?」という不安が頭に浮かびます。
そのときに、悲観的な要素が多ければ尻込みしますが、楽観的な見通しが得られれば挑戦しようとします。
「楽観的でいることのほうが幸福になりやすく成功しやすい」というのは一般原則です。
幸福心理学でもそう言われているよね。さらに、日本社会のようなネガティブゲームをしている社会では、「戦略的に楽観的でいること」がチャンスを掴み成功するとも言われているね。
ゲイ男性の場合、ノンケ男性よりも悲観的に考える必要がある要素は少ないので、それに気づいてもらいたいと思います。
FIREへの踏み出しを引き留める力
以下のような要因が、FIREへの踏み出しを引き留める力になります。
- 家族(配偶者や子供)の有無
- 家のローンの有無
- 学生ローン・車のローンの有無
- 老後への漠然とした不安感
- 経済安定性への不安感
- 物質的豊かさへの執着
これらを一点一点点検していきましょう。
典型的なゲイの男性の場合、独身が多く、将来結婚を考えている人は少ないでしょう。配偶者や子供を持つ計画はないと思うので、そういう意味では、家族問題が「引き留める力」にはならないでしょう。
ゲイの男性の場合には、家を買ってローンを持っている人もいると思います。家のローンは無くても家賃問題というのはFIRE後もつきまといます。とくに無職男性になると、信用度が無く、東京では良い家を借りることができません。家の問題をどうするかは、FIREをする際に考えておく必要があります。逆に、返済を終えていて、問題が解決済みであれば、家の問題は「引き留める力」にはならないでしょう。
家以外にも大きなローンとして浮かぶのは学生ローンや車のローンです。それらもFIREへの踏み出しを引き留める力になりえます。ですが、それらの返済が終わっていれば、借金は「引き留める力」にはならないでしょう。
老後への漠然とした不安感、というのもあります。健康寿命や実際の寿命がどこまでなのか、というのもありますし、「もう十分生きたし、他に楽しみも無いから、いつ死んでも構わない」という幸福寿命や生活満足寿命もあるでしょう。ゲイ男性の場合は、実際の寿命や健康寿命よりも、幸福寿命や生活満足寿命のほうが大切だと思う人も多いのではないでしょうか。であれば、むしろFIREに向けて踏み出すほうが有益ですし、その寿命観や老後への不安感を「引き留める力」にしないほうが有益です。
物質的豊かさに執着しているゲイをたまに見かけます。将来発売されるガジェットやブランド品を買いたい、贅沢な旅行に行きたい、といったシャイニーゲイ様(死後)は働き続ける必要があるかもしれません。ですが、そういうのを馬鹿にしているぼくのようなミニマリストであれば、精神的な豊かさのほうがずっと大切ですし、ミニマリストになれば物質的豊かさへの執着は「引き留める力」になることはないでしょう。
FIREへの踏み出しに向けて背中を押す力
「引き留める力」とは逆に、以下のような要因がFIREへの踏み出しに向けて背中を押す力になります。
- 金融資本以外の資本(社会資本、人的資本)
- 将来の結婚や子供を持つ予定の無さ
- 将来大きな出費をする予定の無さ
- 老後の豊かさや将来への期待の無さ
- 物質的豊かさへの執着の無さ
それらを一点一点点検していきましょう。
金融資本以外の資本としては社会資本と個人資本があります。
家族や友人など何かあったときにサポートしてもらえるネットワークがあれば、将来起きる予期せぬ障害も乗り越えられるでしょう。それらに頼ったり依存するのは良くありませんが、バックアップ体制としてそれらがあると思えれば心強いです。そのような社会資本はFIREへの踏み出しという挑戦に向けて、そっと背中を押す力の一部になってくれるでしょう。
また、これまで社会人経験・会社員経験を積み重ねてきたのであれば、そのスキルを活かし、もし金融資本が不足したらもう一度働けば良いだけです。個人で事業を始めたってかまいません。そういう人的資本があるのであれば、将来への不安はやわらぎ、その自信がFIREへの踏み出しに向けて背中を押す力の一部になってくれるでしょう。
典型的なゲイの男性の場合、将来結婚して、守るべき配偶者や子供を持つことはないでしょう。その結婚の心配の無さがFIREへの踏み出しに向けて背中を押す力の一部になってくれるでしょう。
FIREを考えるような人というのは、ある程度倹約マインドを持ってコツコツと資産を形成してきているはずです。そういう人はこれまでも高い買い物をしなかったと思いますし、今後もしないでしょう。またそういう人は、ブランド品や贅沢にも興味がない可能性も高いです。であれば、そのあなたの倹約マインドセットによる堅実性には自信を持つべきだし、その自信がFIREへの踏み出しに向けて背中を押す力の一部になってくれるでしょう。
「老後や将来へ期待や希望が無い」と言いがちな皮肉屋さんのホモ太郎であれば、その将来への諦念と期待の無さが現状維持バイアスを無くし、新しい挑戦を促す勇気になるでしょう。その勇気がFIREへの踏み出しという新しい挑戦に向けて背中を押す力の一部になってくれるでしょう。
まとめ
FIRE達成に求められる4%ルールは絶対ではなく、自分のリスク許容度に応じて個別調整することが重要です。
ゲイ男性の場合、悲観的になる要因は少なく、楽観的に考えることで挑戦に踏み出しやすい条件がそろいやすいです。
友人や家族を大切にして社会資本を形成し、勉強してまじめに勤労に励んで人的資本を形成すること、そして倹約マインドセットや現実主義的な価値観を持つこと。
そういう積み重ねがあれば、FIREへの踏み出しを引き留める力よりも、FIREへの踏み出しを後押しする力のほうを強力にできます。それがリスク許容度を高めることにつながり、4%ではなく6~8%の高い引き出し率を採用しやすくし、FIREを現実化することでしょう。
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