お金より時間が大事
ウォーレンバフェットと人生を交換できるとしたら
お金より時間が大事だという当たり前のことを思い出させる、ぼくの好きな小話があります。
この中でウォーレン・バフェットと自分の人生を今すぐ交換してもいいという人はいないはずです。たとえ、それによって彼の全財産が手に入るとしても。バフェットも、全財産を失うことと引き換えに20歳に戻るかと尋ねられたら、すぐに『ぜひそうしたい』と言うでしょう
ピーター・アッティア
時間というのは、「これから経験する喜び(rejoice)」と言い換えてもいいかもしれません。喜びや祝福への期待のほうが、生きがいを感じられるため、お金よりもずっと大事です。
お金は増やせるけど時間は増やせないというごく当たり前のはなし
お金は増やせるけど時間は増やせない、というこの当たり前の知識が、いかに多くの人にとって人生の教訓になりえないのか、と不思議に思うことがあります。
ぼくもまさにそうで、会社員時代はある程度お金を持っていたのにも関わらず、好きでもないストレスフルな仕事と会社に多くの時間を費やしてきました。そこには喜びや祝福はなかったけれど、お金のために会社を辞めることはできなかったし、その勇気がありませんでした。
今日はゲイの人たちがFIRE計画を立てるために、そのよりどころとなる4%ルールを再解釈しよう、という内容です。
4%ルールを柔軟にとらえるべき
4%が絶対じゃないし5%がダメなわけじゃない
トリニティスタディの投稿にも書きましたが、4%ルールというのは、4%だったらほぼ確実(98%)に資産が無くならないということを言っているだけです。
これは言い換えると、年間支出の25倍の金融資産を築けば、どんな人でも何があっても、どんな悲惨な政治経済状況であっても、ほぼ確実に資産が無くならない、ということでした。
つまり、無条件に安全な数値が4%だったというだけです。
ポイントはこの「無条件に」という部分で、条件が揃ったり、あるいはある程度リスクを取る覚悟があるのなら、5%を採用したって良いし7%であってもいい、と言い換えることができます。
トリニティスタディの研究者(Bill Bengen氏)自身、2020年のインタビュー(The inventor of the ‘4& rule’ just changed it)で次のように語っています。
現在の環境を踏まえると、5%以下の引き出し率でスタートすれば安全だと思う。わたし自身もそうしている。でも平均は7%です。4.5~5%というのはかなり厳しい基準をクリアした数値であり、”最悪のシナリオ“であってもそれなら安全だと言える数値なのです。
ビル・ベンゲン
歴史的な経済危機やバブルなどを経て、規制や監視のルールなどが整備され、金融政策の技術開発などもあり、世界は安定したより良い世の中になりつつあると感じます。
もちろん現代に何も問題が無いというつもりはありませんが、「最悪のシナリオ」が起きる(いま起きている)と考えるのは、あまりにも悲観的すぎると思います。
4%ルールに隠されていた条件は何か
4%という数字は”最悪のシナリオ”のときに有効な数値ということでした。
この”最悪のシナリオ”に隠れている変数、つまり資産維持、資産形成、資産取り崩し計画などを脅かすであろうリスク事象を洗い出すのは切りがありません。
ですが、たとえば次のようなことがありそうです。
市場変動リスク、金利変動リスク、通貨為替変動リスク、インフレリスク、デフォルトリスク、政治や法規制のリスク、自然災害、健康・寿命、雇用、家族関係、税制度の変更、事故、地政学リスク、etc
過去の歴史の中でこういうのが最悪に組み合わさった時期であっても、4%だったら安全で有効だった、というのが4%ルールの結論でした。
悲観的にならずに保守的な考えをすてるべき
家族(妻子)が居ないなら4%は保守的すぎる
とても心配性で悲観的な人が、現在は過去の歴史の中でももっとも悪い状況で、自分自身も最悪の状況に居ると考えているなら、4%ルールを採用すれば良いでしょう。
でももしあなたが典型的なゲイ男性で、配偶者も子供もおらず守るべき家族も居なくて自分自身のことだけを考えれば良いという状況であれば、4%は保守的すぎると思います。
社会経験があって社会資本もあるなら4%は保守的すぎる
同様に、ある程度の学歴や知識、社会経験があってこれまでも特に困らずに働いてこられたのであれば、今後も何らかの形で収入を得る機会があるはずなので、4%は保守的すぎると思います。
また、金融資本に加えて、これまでの社会経験(人的資本)や家族や友人(社会資本)があるなら、4%は保守的すぎると思います。
典型的なゲイのFIRE計画なら7%で十分
年間支出の25倍の資産が貯まるのを待ち続けるのはもったいない
4%ルールというのは言い換えると年間支出の25倍の金融資産を貯めろ、ということです。
でもぼくは、そこまでお金が貯まるのを待つ時間がもったいなさすぎると思います。
4%ルールであれば、もし年間支出が490万円(月額約40万円)だとしたら、1.2億円までお金が貯まるのを待たなくてはいけません。
60歳時点の平均金融資産保有額が1,388万円なのでそこまでお金を貯めるというのは非現実的で不可能です。そんなことしてたらいつまでだってもFIREできません。
思い出してほしいのは、上にも書いたように、お金よりも時間が大事、ということです。
もし、会社員時代のぼくと同じように、希望を見失いかけている会社員の方がいるとしたら、4%ルールという縛りにとらわれず、もっと柔軟に考えて大胆にリスクを取り、FIREに向けて踏み出しても良いと思います。
6%ルールか7%ルールでも十分賭けが成立するとぼくが考える理由
ぼくは独り身のゲイ男性なので、妻も子供も居ない自由な身です。
この日本という完璧ではないにしても安全な国に生まれて生命や身体を脅かす直接的な脅威にはさらされていません。
また、これまでの社会経験もあるし、友達や両親もいてくれています。最低で最悪な状況ではないと考えられました。
なので、(最悪シナリオの)4%ではなく、(平均シナリオの)7%でも十分にやっていけるだろうと考えました。
具体的には、年間支出が490万円(月額約40万円)として7000万円貯めることができたらFIRE達成と考えました。
もっと言えば、ぼくはもっと楽観的なので、8%ルールを採用しても良いくらいかなと思ったくらいです。
その場合は、年間支出が490万円(月額約40万円)として6125万円貯めらることができたらFIRE達成です。
典型的なゲイ男性のFIRE計画案
妻も子供もおらず、ある程度の社会経験を積んで40代を迎え、家族や友人にも恵まれている。
そういうゲイの男性はぼくの周りにもたくさん居ます。
一人暮らしで、平日なジムに通い、週末は友達と居酒屋やゲイバーに飲みに出かけて、年に3,4回は旅行やフェスに行く、といった生活をするのなら、月に40万円もあれば十分です。
そういう人であれば、7%を採用して7000万円、または、8%を採用して6125万円をFIRE達成の目標値にしても良いのではないでしょうか。
まとめ
思い出してほしい「時間を大切にして経験に時間とお金を使うべき」というアドバイス
お金よりも時間が大切です。
その時間を好きでもないことに費やすのではなく、喜びに変えて人生を楽しまないともったいなさすぎます。
もし、ストレスやプレッシャーの下、夢や目標を見失いかけている過去のぼくのような会社員の方がいらっしゃるとしたら、FIREを目指してもらいたいと思います。
そして、「FIREのために年間支出の25倍もの金融資産を貯めるなんで非現実的で夢のまた夢」と考えているとしたら、4%ルールというのは厳密なルールじゃないし柔軟に考えるべきで、あなたなら7%や8%でも十分にやっていけるということを伝えたいと思います。
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